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前向きなトム・ハンクスと疲れたジュリア・ロバーツコンビの人生リフレッシュムービー

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『幸せな教室』は、爽やかにスタートする。スーパーマーケットの朝。そこでキビキビ働く、ラリー・クラウン(トム・ハンクス)の姿が、この映画のトーンを決定的にしている。このトーンは、ラリー・クラウンが失業しても、仕事が見つからなくても、離婚して妻から買い取った家のローンが払えなくて困ったとしても変わらない。

へこむことはあっても、思いついたら積極的にどんどん行動していくラリーの前向きなところが、この人はこの先どんなことがあってもちゃんとやっていけるんだろうなと、感じさせる。トム・ハンクスが毒のない自分の個性をちゃんと自覚して発揮させているというところだろうか。

そこに登場してくるのが、中年のコミュニティカレッジ教師メルセデスだ。彼女もかなりバッド・ティーチャーで、やる気もない上つまらない気分を酒で紛らわすばかり。鬱々としているだけ、キャメロン・ディアスの演じるバッド・ティーチャーより爽やか度も足りない。

メルセデスを演じるのは、ジュリア・ロバーツ。彼女の個性はゴージャスだけどトム・ハンクスとは反対の毒のあるタイプだ。もちろん演技力で毒の濃さを調節できるので見応えこの上ない。

メルセデスから見ると、ラリー・クラウンはまるで別の星から来た人の様だろう。ラリーのバックグラウンドを何も知らないので、一人で考えて振り回されているようなところが面白い。

映画では、ラリーとメルセデスの関係を軸に、その人なりの方法で人生の再スタートを切っていく姿が描かれる。人生に行き詰まる時は誰にでもあるが、ラリーのように感じるままに古い自分の方法を脱ぎ捨てていくこともできるし、メルセデスのようにもがきながら新しい一歩を踏み出してもいい。『幸せの教室』には生活をリフレッシュさせるヒントが詰まっていると思う。
(オライカート昌子)

幸せの教室
オフィシャル・サイト http://disney-studio.jp/movies/shiawase/